多才なタモリさん    user.png 元白雲寮の住人
time.png 2023/03/24(Fri) 19:32 No.451

昨年10月に『お江戸・東京 坂タモリ 港区編』(ART NEXT刊)という本が出版されました。写真と文をタレントで「坂道写真家」のタモリさん、監修を元出版社勤務で「坂道研究家」の山野勝さんが担当しています。山野さんは「日本坂道学会」の会長、タモリさんは副会長を名乗り、しかも会員はこの二人だけ。タモリさんは2004年にも『タモリのTOKYO坂道美学入門』(講談社刊、なお2011年にはこの本の新訂版を刊行)を出していますので、これが18年ぶり2冊目の坂道本ということになります。
今回の本によると、現在の東京には「江戸以来の坂」が約500坂あり、特に港区と文京区に多く、なかでも大規模な再開発によって「この18年間で激変したのは港区」であるとのこと。そして「坂道写真家」としてのタモリさんは「今の東京と江戸の坂がガチでせめぎあう瞬間を写真で残せた」と語り、自分の健康法は「カメラを抱えて坂道を歩くこと」であるとも述べています。また坂道の写真を撮る際には、走行中の車や通行人を入れず、しかも坂道らしさをいかに表現するかということにこだわったそうなので、撮影ポイントの選定や深夜や早朝の時間帯での撮影など、相当の苦労があったものと想像されます。

そのタモリさん、本名は森田一義、1945年福岡市生まれ、博覧強記で多趣味なことでも知られています。過去には「笑っていいとも!」、そして現在も「ブラタモリ」や「ミュージックステーション」などの人気番組で活躍中です。
福岡市内の公立高校時代には剣道部や吹奏楽部とあわせてアマチュア無線クラブにも所属し、船の無線通信士にあこがれて電気通信大学をめざしたものの苦手科目の物理を克服できずに断念、早稲田大学へ進んだと言われています。
またアマチュア無線技士の資格やコールサインも取得し実際に運用もしていましたが、現在は失効しているとのことです。インターネット上では、1978年にタモリさんと交信した人が受け取っていた「QSLカード」(交信証明書)のことなども紹介されていますし、テレビ朝日系列の「タモリ?楽部」(2014年)やNHKテレビの「ブラタモリ」(2015年)では自分が取得していたコールサインを電鍵で打ち、さらに「ブラタモリ」のなかでは無線通信機器にかなり詳しいところも披露していました。

なおタモリさんがらみでついでにもうひとつ。彼が卒業した福岡市内の公立中学校からは、彼のほかに、歌手の高橋真梨子さん、森口博子さん、氷川きよしさん、そしてお笑い芸人の博多華丸さんなど、多くの芸能人が輩出されています。タモリさん在校時の1958年には、この中学校が全国第2のマンモス校だったということなどもその背景にあるのでしょうか。

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