CMのなかのモールス    user.png 元白雲寮の住人
time.png 2023/02/23(Thu) 13:29 No.449

以前は日常生活のなかでもモールス信号と接する機会がときたまありました。たとえばテレビ朝日系列のニュース速報では冒頭に「その放送局の英字略称」+「NEWS」(KBC九州朝日放送の場合は「KBCNEWS」)というモールス信号の音声が流れたり、ライフという消費者金融の会社のロゴマークが「L」のモールス符号だったりなどです。

最近はそういうことがほとんどないなあと思っていたら、動画投稿サイトのYouTube上で、モールス信号が効果的に使われているコマーシャル映像に出会いました。アメリカのニューヨークに本部がある百貨店「メイシーズ」が2017年のクリスマス・シーズン用につくったもので、「灯台」というタイトルがつけられています。
YouTubeのサイトを開いて、検索欄に「Macy's Lighthouse 2017」と入力すれば、その動画「Lighthouse The Perfect Gift Brings People Together ~」を見ることができます。2分間のドラマ仕立てのその内容はおおよそ次のとおりです。

灯台守の父親と暮らす少女リリー。彼女の母親はしばらく前に亡くなっているため、今年のクリスマスはいつもと同じではありません。一方灯台近くの家に家族と住む少年マックス。彼はリリーとはまだ言葉も交わしたことはないものの、彼女の母親が亡くなったことは知っているのでしょう。同年代と思われる寂しい表情の彼女のことが気にかかっています。
マックスはクリスマスのプレゼントに電気スタンドをもらいます。そしてリリーとその父親を自宅のクリスマス・ディナーに招こうと考えます。そこで招待のメッセージの文面と手持ちの「モールス符号表」とを照らし合わせ、灯台にいる父娘に電気スタンドを点滅させて「クリスマス/ディナー/午後7時/もし/~」とモールス信号で伝えるのです。果たして彼らは来てくれるのか。期待と不安が入り混じるなか、家の入口のドアをノックする音が聞こえます。

マックス少年と灯台守の父娘、その双方にモールス通信の心得があって初めて成立するこの物語。なぜか涙腺がゆるみます。そして映像のなかにある手書きのモールス符号をよく見ると、「もし(If)」のあとは「あなたたち(You)」と続いているように思えます。「もしあなたたちさえよければ」とでも伝えているのでしょうか。

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